地中熱冷暖房空調・
給湯システムの開発
- 山梨大学地中熱利用研究ユニットのホームページへようこそ。
当該ユニットでは、再生可能エネルギーの一つである地中熱を利用したヒートポンプに関する研究開発を進めています。
地中熱ヒートポンプには既に実用化されている間接方式と呼ばれる冷暖房空調・給湯システムがありますが、地中熱あるいは地下水利用、さらにはボアホールを利用するもの、鋼管杭を利用するものなど、様々な様式が導入されています。
現状では更なる初期導入コストの低減を目指して開発が進められています。我々のユニットでは、この間接方式ではなく直接膨張方式と呼ばれる地中熱ヒートポンプによる冷暖房空調・給湯システムに焦点を合わせ、高効率で省エネルギー性に優れたシステムの研究開発とその普及を目的に活動しています。

- 所属
- 名前
- 山梨大学大学院総合研究部・
教授
- 武田 哲明
- 山梨大学大学院総合研究部・
教授
- 窪田 洋二
- 山梨大学大学院総合研究部・
准教授
- 舩谷 俊平
- 株式会社藤島建設・
新エネルギー事業部部長
- 依田 修
- 株式会社藤島建設・
新エネルギー事業部
- 大久保 宏司
- 株式会社萩原ボーリング・
代表取締役
- 萩原 利男
- 現在実施中の公募型研究(受託研究を含む)
- H23年9月から独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める「再生可能エネルギー熱利用計測技術実証事業」において、(株)萩原ボーリングが担当する地中熱利用設備を対象とする熱利用計測技術実証事業のうち熱量計測の実証を山梨大学での受託研究として武田研究室にて実施しています。
現在、1次系が不凍液、2次系が冷媒方式の地中熱ヒートポンプシステムを工学部A1号館の103号室及び105号室に導入するための工事を進めています。室内には3台の空調機器及び床暖房とパネルヒータを設置し、1次系及び2次系の流量、温度等の連続運転データを取得します。H24年4月から連続運転を行い、実用化に必要な熱量計測基礎データを取得するとともに、各種計測機器から算出した熱量計測の精度評価を行い、経済性の観点から計測機器の有効性の評価を行います。
- 2017年12月08日
平成28年3月に山梨県から「やまなしエネルギービジョン」が発表されました。
- 平成28年3月に山梨県から「やまなしエネルギービジョン」が発表されました。
その中で地中熱ヒートポンプの県内目標設置台数として、2030年に900台とすることが記載され、山梨県ではこのように高い導入目標を持って活動を支援することになっています。 また、山梨県地中熱利用促進協議会では、地中熱ヒートポンプの導入促進に資するため、山梨県が進める地中熱利用普及セミナー実施への協力や技術情報、設置状況など種々の情報提供を行っています。
山梨県では平成29年度に環境省の事業である「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」に応募し、これが認められ、夏秋イチゴ栽培への地中熱ヒートポンプによる空調システムの導入を進めています。当該ユニットではこの事業における地中熱ヒートポンプの性能や一次エネルギー消費量の削減効果等についての評価を行っています。
当該研究ユニットではこれらの地中熱ヒートポンプの導入について積極的に支援し、新たな技術情報の提供を行っています。
- 2017年12月08日
平成27年度 直接膨張方式地中熱ヒートポンプシステムの開発実証補助事業
- U字型の銅製円管地中熱交換器を製作し、深さ30mのボアホール内に設置した。ボアホール径は約100mmであり、円管の底を閉じたカップ式の容器である。この中に水を入れて、その中に地中熱交換器を挿入した。地温変化を計測するため、ボアホール内には熱電対を挿入した。性能評価を行うため、室内機側では、風速計センサー、熱電対、湿度計を取り付け、エンタルピー法にて熱量を計測した。実施した試運転、及び予備試験により冷房性能を評価するためのデータを取得した。また、連続運転性能を向上させるために水冷方式を採用した実験の準備を整えた。さらに、給湯システムの応用可能性を検討するために冷水温水生成時の熱交換性能データを取得した。これらにより、冷暖房運転時の性能評価を行った。
直膨方式地中熱ヒートポンプの開発に関しては、冷暖房時の性能データを取得し、昨年度の性能データと比較した結果、冷房時のCOPが12以上,暖房時のCOPが8以上であることを確認した。(日本機械学会熱工学コンファレンス2015研究発表論文 平成27年10月25日発表)また、地中熱交換器内での冷媒状態、地中との採放熱特性、地中熱交換器の形状の違いによる性能(COP値)への影響に関する知見を得た。以上の成果をもって、補助事業を完了した。
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